ディズニー+で独占配信されているドラマ「ガンニバル」
その内容を1話ごとにレビューしていきます。ネタバレになる部分もあるので、視聴前の方はご注意下さい。
主演:柳楽 優弥
■いきなり引き込まれる導入
ドラマは警察の駐在員の男性が半狂乱になっている場面から始まります。
「お前ら人を食ってるんだろう!」と繰り返し叫びながら、寂れた民家の扉を叩き、人の姿が見えれば獣のように飛び掛かる。
まだ何も情報が与えられていない状況から突然始まったこの場面は、これから起こる惨劇を予感させます。
その後のシーンで男性が何かを見つけて狼狽えていると、背後から男性の首に鎌が忍び寄り、ザクリ、と切り落とす。そこまでが導入部です。
■主役の阿川大吾と、その家族の登場
冒頭の駐在員に代わって、新たに村に派遣されてきた阿川大吾。
妻の有希、娘のましろの3人で車に乗っているカットで登場。
この時点で原因は明かされないが、何らかの症状で娘のましろが声を出せない事が分かります。
村に到着すると村民たちに温かく歓迎され、家族は駐在所に隣り合わせた家で荷ほどきを始めます。
この時の夫婦は非常に仲睦まじい様子でしたが、妻の有希は割と小さい事でも激昂するタイプの女性なのだと後のシーンで感じました。
■駐在員としての初日に事件が起こる
大吾にとって村での初の出勤日。村民は新しい駐在員が来たことを喜び、意気揚々と村中を案内します。無人販売所から野菜を勝手に取り、奥さんに持って帰ってやれ、と押し付ける様子は、なんだか田舎っぽさを感じます。
そうして周囲と打ち解けていた矢先、後藤恵介という村の若者が押しかけてきて、「山で死体が見つかった」と言います。
初対面にも関わらず高圧的な態度で接してくる恵介。彼に連れられて向かった山では、無惨にも腕が千切れた老人の死体がありました。
これは恵介の祖母にあたる銀という人物のもの。
大吾が違和感を感じたのは、千切れた腕の傷跡。恵介は自分で噛み切ったのだろうと言うが、傷跡の位置からしてそれはあり得ない。誰かが銀の腕を切り落したのだと推測を口にした途端、俺たちを疑うのか!と周りの人間が一斉に猟銃を向けてくる。
すぐに冗談だとヘラへラ笑い出しますが、次やったら公務執行妨害で全員逮捕だと大吾は彼らに釘を刺しました。
■夫婦の空気感
結局死体は熊の仕業だ結論付け、その翌日に熊を仕留めに行くため、今日は決起集会を行う、という流れになります。
大吾は断り切れずに集会という名の飲み会に参加。
そんなの断ってよ!と怒る有希と、村みたいな狭いコミュニティでは人間関係が大事だと主張する大吾。
有希は一度熱くなると怒りの矛先があっちこっちに向くタイプのようで、
「頼んでたテレビの配線もやってくれないんだ!もういい!」と声を荒げ、
折り紙で遊んでいた娘のましろにも「折り紙やめて!」と床を叩く。
その後は夫が飲み会に出かけると、なんとか一人で配線を繋げようとテレビと格闘していました。
なんかこのような何気ないシーンの質感がリアルなドラマです。
■柱に残る謎のメッセージ
静かになった家で有希が床でゴロゴロ転がっていると、ふと柱に刻まれた文字が目に留まります。
そこには「ニゲロ」の3文字が。
同時にましろがいなくなっている事に気づき、有希はましろの名前を叫びながら村中を走り回ります。
ここで初めて視点がましろに切り替わります。
夜道を1人歩くましろ。するとこの世のものとは思えない異形の化け物が現れますが、ましろは全く臆する事なく、ただ小さな手に握っていたお菓子を
差し出します。それを受け取って食する化け物。2人のカットはそこで終わり、有希がましろを迎えてやってきます。
■ましろが拾ってきたもの
飲み会から帰宅した大吾は、寝室にいるましろの元へ向かい、すやすやと眠る我が子の頭を撫でます。
すると目を覚ましたましろが、お菓子の箱を差し出してきたので
「一つくれるの?」と微笑みながら大吾は箱を開けました。
すると出てきたのはお菓子ではなく。腐った指でした。
驚愕のあまり箱を投げ捨てた大吾は、どこで拾ってきたのかをましろに尋ねますが、声の出ない彼女からの返答はありません。
腕を切り落とされていた銀の死体。大吾はましろの拾ってきた指は銀のものだろうと考えて、専門の医師に鑑定を依頼。
しかし医師からの返答に大吾は目を丸くします。
指は銀のものでは無かった、と言われたからです。
それは、銀の他にも新鮮な遺体が村のどこかに転がっている可能性を示唆していました。
「コメント」
以上が「ガンニバル」第一話のおおまかな内容でした。
本当に冒頭のシーンには引き込まれました。あんな不穏な始まり方をする日本のドラマは久々です。
このドラマは人口の少ない山奥の村が舞台となっており、そういう村に漂う独特の雰囲気や意味不明な因習がすごく気味悪く感じました。
実際に田舎に住まれている方に話を聞くと、場所によっては本当に妙な風習が根付いているからよそ者は馴染めない、と言っていました。
都会の喧騒から離れた田舎暮らしって憧れもありますが、そういうのを聞くとやっぱいいや、ってなりますね。
記事の中でも触れましたが、有希の少々荒れやすい性格がすごくリアルで、
それをうまく表現している吉岡里帆さんの演技力は流石でした。
関係ない子どもにまで勢いであたるところなんか、見ていて心臓がきゅっとなります。
私は「カルテット」で吉岡さんが演じた小悪魔の役からファンになり、出演されている舞台まで足を運んだりするほどですが、また吉岡さんの新たな側面が見られたようで満足でした。
また、笠松将さん演じる恵介も、取っつきづらい雰囲気が田舎のヤンキー感が出てて良かったです。
ちょっとどこの方言か分からないんですが、村民の方は皆かなり強い訛りの言葉を喋っていました。笠松さんもそうですが、みんなよくスムーズに喋れるな、と感心しました。
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