ディズニー+で独占配信されているドラマ「ガンニバル」
その内容を1話ごとにレビューしていきます。ネタバレになる部分もあるので、視聴前の方はご注意下さい。
主演:柳楽 優弥
■失踪した前駐在員が遺体で発見される
第3話のラストで、前駐在員の狩野治を殺害したと後藤家の人間が自白した。第4話は狩野治が遺体で発見されるシーンから始まる。
大吾は彼を殺した真の犯人は人間ではなく、第2話で大吾を襲った化け物であると主張。しかし警察署の署長はそれを大吾の妄言だと思い込み、
村を出てまた新しい場所でやり直さないかと提案する。
■阿川夫婦の決断
署長から転勤を打診された大吾。その事を妻の有希に相談するが、娘のましろは村に残りたいという意思を示したため、家族はここでの生活を続けていくと決心。
それまではほとんど笑顔の無かったましろに、ようやく自然な笑みが戻ってきた。
■村と後藤家の関係
改めて村の人々が阿川一家のために歓迎会を開いてくれた。
村のリーダー的存在の山口さぶ、という男性はすっかり酔っ払って楽し気に話していたが、大吾が後藤家の話題を口にした途端、その表情は凍り付いた。周囲の人間も水を打ったように静まり返る。
そしてさぶの口から、後藤家と村の関係について隠していた事実が明かされる。
後藤家によって経済を支えられている村の人々は、株主的存在である後藤家には決して逆らえない。だから本当は狩野治が殺されていた事も知っていたが、黙っておくしか無かったのだと涙ながらに語った。
それを聞いた大吾は、村の皆は悪くない、と理解を示す。そうして互いに壁を取っ払い、阿川家は村の一員として正式に歓迎される事となった。
■嫌がらせは誰の仕業?
大吾と有希が家の中で抱き合っていると、窓から覗く誰かの気配が。
大吾は慌てて追いかけ、逃げていく背中を見てそれが後藤家の1人だと判明。さらに家の壁に赤いペンキで「人殺し」と落書きがされていた。
ショックを受ける2人。
これも先ほど逃げた後藤家の人間の仕業だと睨み、大吾は彼らが働く工場へ赴く。そして家を覗いていた男に詰め寄るが、落書きは自分がやった事ではないと主張。「あんなのするのはお前らしかいねえだろ」と証拠なく疑ってかかる大吾に、恵介は「(後藤家以外の)村の人間こそクズばかりだ。あんまりあいつらを信用するな」と警告。
■精神に異常を来したすみれの母
場面は変わって、狩野治の娘、すみれの視点へ。
大吾から父の死の報せを受けたすみれは、介護施設に入所している母の下へ。
すみれの母は何がきっかけか、精神に異常を来しており、若年性の認知症に近い症状を患っていた。
すみれが「お母さん」と声をかけると、満面の笑みを浮かべながら「だれですかー?」と返答。夫が失踪した事実は記憶しているらしく、「だから逃げろって言ったのに」と呟いた次の瞬間、狂ったように「ニゲロ、ニゲロ、ニゲロ」と連呼し始める。
第一話で阿川家の柱に刻まれていた「ニゲロ」という文字が一瞬映り、
おそらく文字を刻んだのはすみれの母であると思われる。
■変わり始める村の人間たち
駐在所に隣接する自宅は道に対してオープンになっており、プライバシーが無いため、大吾は家の周りに柵を立てようとする。
そこへ通りかかったさぶが、「村は互いの信用で成り立っているのだから、隣近所と壁を作るような真似はやめろ」と口を挟んでくる。
余計なおせっかいに大吾が「めんどくせ」と呟くと、その一言に尾ひれがついて村中に広まってしまう。
道を歩けば「さぶさんと喧嘩したのか」と問い詰められ、昨日まで朗らかだった村民が全員、大吾に対して冷たい態度を取るようになる。
第2話のラストで襲われて、川で倒れていた大吾を救助してくれた消防団の青年でさえも、大吾に対して警告めいた文句を放っていく。
村の異常性に違和感を感じる阿川家。さらにさぶが常に大吾と有希を遠くから監視しているシーンも。
事態を収めるためにさぶに頭を下げる大吾。すると翌日からは何事も無かったかのように再び笑顔で接してくる村民たち。
村の閉鎖的な恐ろしさと、恵介の発言の意味が徐々に表面化してくる。
■謎の人物からのコンタクト
第3話ですみれから渡された狩野治の最後の通話記録。そこに残されていた番号から大吾のスマホに着信が。
電話口に出たのは、歯の抜けたような話し方の男。その男から指定された場所へ向かう大吾。
男の口ぶりは事件の真相を知っている風であり、大吾はお前は何者だと問う。すると男は徐に顔面の皮膚を剥がし始める。
実は顔を覆っていたのは人口の皮膚で、その下から現れたのは
顔の半分と鼻を完全に喰いちぎられた、見るも無残な姿だった。
「コメント」
前回までは後藤家だけが異常なのかと思っていましたが、どうやら狂っているのは村全体なのかもしれません。
有希とましろを双眼鏡で監視しながら盗聴まで行っているさぶ。
何かにつけて阿川家に口を出してくるその意図はまだ分かりませんが、
閉鎖的な田舎のコミュニティの恐ろしさがじわじわと感じられます。
一番怖いのは、大吾がさぶに向かって「めんどくせ」と呟いただけなのに、
大吾がさぶに掴みかかって、「このめんどくせえクソじじい!」と罵ったという噂が村中に広まっていたシーンです。
しかも村中が一丸となって大吾を敵視しだす。昨日までは友人のように温かく接してくれていたのが、その一言で豹変するなんて。
そしてすみれの母親が登場しましたが、完全に精神が狂っている様子。
認知症というにはあまりに若いので、おそらく村で生活していた時に起きた何かがきっかけでああなってしまったのでしょう。激しくニゲロと叫んでいたあたり、狩野治殺害の真相に大きく関わっていそうです。
そして第一話からずっと気になっている点なのですが、やっぱり有希の情緒が不安定なシーンがあり、それが妙に怖く感じます。
普段は淑やかな感じなのに、少しでも大吾に不満を抱くと急に口調が荒くなるんです。
このドラマ、あちこちに潜在的な恐怖を感じる要素が散りばめられていて
片時も安心できない作品です。
ホラー的なびっくり演出とかは無いのですが、色んな意味で怖いので心臓が弱い方は注意かもしれません。
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