可愛さ余って憎さ100倍という諺にあるように、愛情込めて育てた我が子に対しても、ついカッとなる事は親ならいくらでもあるかと思います。
特に中高生の反抗期なんかは、親と子が最もギスギスする期間ではないでしょうか。そういう局面でも、結局は親のほうが我慢を強いられるわけです。大人なので当たり前といえば当たり前ですが、やっぱり親にも限界ってものがありますよね。
今日の映画は、そんな我慢の限界を超えた親たちが、わが子を殺しにかかるバイオレンスB級映画です。
マッドダディ
「4コマあらすじ」
「作品みどころ」
幼子の夜泣き、幼少期のわがまま、思春期の反抗的な態度など、子育てとは色んなストレスとの闘いでもあるが、ほとんどの親はそれに根気強く耐えているもの。
もしその我慢に限界が来たらどうなる?というのが今作のメイン。
突如TVやラジオから発せられた謎の電波により、親たちはストレスからの解放を求めて暴れ出し、容赦なく我が子を殺害してゆく。
彼らだって親である前に1人の人間なのだから、怒りの本能には抗えないというのが、映画側が提示する答えなのだろう。
なんか最近変わった役を演じる事の多いニコラスケイジ。彼のブチギレ暴走シーンは映画最大の見どころである。
比較的冷静に子どもを追い詰めていく妻と違って、夫は終始情緒不安定。
泣き崩れて情けない声で子どもに呼びかけていたかと思えば、豹変して
凶器をぶん回などのイカレ殺人鬼っぷりを披露。
拳銃を保管していた金庫の番号を息子の誕生日にしていたため、
簡単に息子に武器を奪われるなど、少し間抜けなところはご愛敬。
親VS子という対立構造は、さらに上の世代にまで波及する。
父親(ニコラス)の追撃から逃げている息子、そこへ現れたのは
父の父、つまり息子からすればおじいちゃん。
このおじいちゃんは孫のピンチに駆け付けたのではなく、
電波の影響で息子を殺したくなっただけ。
彼の登場シーンで、「ああ、そうか。親には親がいるもんだ」と
当たり前の事を妙に納得させられた。
「コメント」
B級俳優のイメージが強くなってきたニコラス・ケイジ主演の
紛うことなきB級映画。
ゾンビ映画のゾンビを両親に置き換えた、というと作品のイメージが伝わりやすいかと思います。
ゾンビとの違いは、殺意にしっかりとした理由が込められていること。
息子は父が大切にしている車をダメにしたり、娘は母の財布から日常的に金を盗む手癖の悪さ。ストレスが溜まるのも納得です。
息子のいたずらに対して、「今度やったら殺すからな」と言った父の表情が
マジだったのですが、まさか言葉通りだとは。
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