『夢のチョコレート工場』は怖い映画!? チャーリーとチョコレート工場との違いや、作品のみどころを紹介!

◆特集記事

チャーリーとチョコレート工場』は公開から20年近く経ってもなお、大人から子どもにまで愛されるファミリー映画です。ジョニー・デップ演じるウィーリー・ウォンカもいいキャラしてますよね。今年の10月には堂本光一さん主演で舞台化もされるということで、人気の衰えない名作。ところでこの映画は『夢のチョコレート工場』という作品のリメイクだと知っていましたか? このオリジナル版は結構怖いと評判なんです! 今回は『夢のチョコレート工場』について紹介していきます。

★堂本さん主演の舞台についてはコチラ⇩

『夢のチョコレート工場』はどんな映画?

1971年に公開された、ジーン・ワイルダー主演の映画。児童文学作家ロアルド・ダールの著作『チョコレート工場の秘密』を映像化したもので、『チャーリーとチョコレート工場』よりも原作に近いイメージの作品です。

昔の映画ってCGが無い時代なので、こういう大がかりなセットも全部作ってあるのがスゴイですよね!
ではこの作品、何がそんなに怖いのか? 一つずつ解説していきます!

怖いポイント①ウィリー・ウォンカがヤバい人

チャーリーたち、金のチケットを手にした選ばれし子どもが招待されたチョコレート工場。そこを取り仕切るのは、全てが謎に包まれた男ウィリー・ウォンカです。ジョニー・デップ版だと衣装が赤でしたが、ジーン・ワイルダー版は原作の挿絵通りのファッションで決めていきます。

原作の挿絵はこんな感じです。シルクハットに紫のコート、緑色のパンツという、ちぐはぐな色使いがウォンカの変人さを際立たせています。

この映画のウォンカ、何が怖いって、まず目がガンギマリなところ!

映画の中で一回でも瞬きしたっけ?となるくらい、人の温かみを感じない目をしているんです。
工場に来た子供たちが、自業自得とはいえ死にそうな目に遭っているのに、心配するのはお菓子のことばかり。食べ盛りのぽっちゃり男子オーガスタスがチョコの川に落ちた時も、
ウォンカ「オーガスタス、チョコに触るな!」
オーガスタが川に落下。
母親「うちの坊やが!あんたどうしてくれるの!」
ウォンカ「なんでことだ。せっかくの美しいチョコレートが!」
と、他人の子どもの命などどうでもいいウォンカでした。

②ウンパルンパが不気味

ウンパルンパを抜きにしてこの作品は語れません。地図に存在しないはずの国から、ウォンカが直接交渉に行って雇い入れた小さな働き者たち。原作だと、給料は全てカカオで支払っているそうです。
リメイク版ではウンパルンパのミュージカルシーンが目玉の1つでしたが、オリジナル版ではすごく静かで不気味なんです! それがコチラ。

一度聞いたら耳から離れないこの歌。ウンパ、ルンパ、ドゥバディ、ドゥ…

③子どもたちの行方は?

リメイク版でも原作でも、ひどい目に遭った子どもたちが一応無事に生きている描写があります。ですがオリジナル版の映画には、唯一それが無いんです! ウォンカもツアーの途中で、「よし、これでうざいガキが消えたな」みたいな事を言ってますし、本当に殺していても不思議じゃありません。ジョニー・デップ版がまだ助けてくれそうな雰囲気がありますが、ジーン・ワイルダー版は心の底からこどもの命に興味が無さそうです。

ブルーベリーのように膨れ上がるバイオレット。度々あの歌とともに登場するウンパルンパに連行され、その後彼女の行方を知る者は誰もいませんでした。

④子どもにトラウマを与えたトンネルのシーン

リメイク版でもチョコレートの川を船に乗って渡るシーンがありますが、オリジナル版のここは作中1の恐ろしさ! まずいきなりウォンカに話が通じなくなり、何やら意味不明な事を口走ります。そしてトンネルの壁には獣や昆虫など、全く脈絡のない映像が映し出されるんです。子どもたちは恐怖に叫び出しますが、ウォンカはどこ吹く風でずっと何かをぶつぶつ言っているだけ。照明の色もどんどんサイケデリックに変わり、まるでパニック映画でモンスターが登場するシーンみたいなんです!

もう風格がデスゲームの主催者。

⑤急にキレるウォンカ

ツアーが終わり、残った子どもはチャーリーだけ。何か特別な事があるのかと期待しているチャーリーとおじいちゃんの鼻先でドアを閉め「もう満足しただろ、さあ帰れ!」と突き放すウォンカ。「一生分のチョコをもらえる約束は?」と詰め寄るおじいちゃんに、「お前は契約違反をした。だからお前にやるチョコは無い!」と取り付く島もなし。ちなみに契約書は存在しない言語で書かれているため、法的な効力は全くないはずが、ウォンカはそれを盾にしてきます。理不尽極めてる。

映画としては素晴らしい作品

どうしても『チャーリーとチョコレート工場』のほうが人気ですが、私は『夢のチョコレート工場』が大好きです。まず音楽が素晴らしく、クラシックミュージカルの雰囲気が漂う名曲の数々。リメイク版のポップな音楽もいいですが、個人的にはコチラが好きですね。『チャーリーとチョコレート工場』はティム・バートン監督のセンスが発揮された世界観が面白く、『夢のチョコレート工場』は物語をじっくりと深く楽しめる魅力があります。ぜひ両方のバージョンを鑑賞してみて下さい!

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