思春期というものは誰にだってあります。自分の世界に閉じこもり、親への反抗心を露わにする。そんな経験を皆さんしてきたのではないでしょうか?
子どもと親が対立する大きな要因として、両者が理想を押し付け合うから、というのが挙げられます。
「私は東京へ行って女優になりたい!」「馬鹿な事言わないで地方の大学に進学しなさい!」といった具合に、意思の一方通行が軋轢を生じさせます。
今日の映画は、そんな思春期真っ盛りの高校生の女の子と家族との物語です。
レディ バード
「4コマあらすじ」
「作品みどころ」
主人公レディ・バードは、型に捉われないタイプの自由な少女。
どうせ落選するんだし、と奇怪なデザインのポスターを作って生徒会長に立候補したり、数学が苦手だからといって強硬手段で成績を改ざんしたりと
無茶苦茶な言動が目立つ。
彼女に呆れる人もいれば、面白がる人もいるが、少なくとも万人受けするタイプではない。
思春期の女の子と母親の対立は日に日に激化していく。
夫は鬱で失業し、兄も就職が決まらない中、1人で家計を支える母親からすれば、金のかかるNYの大学になんて行かせられない!というのが本音。
それでも我がままを通す娘に声を荒げる場面も。
どんどんと広がっていく2人の溝は、反抗期ならではの胸が詰まる思いにさせてくれる。
ティーンの女の子にとって、異性との交遊こそ大人の階段の第一歩。
レディ・バードは惚れた男の子にアタックして体の関係を持つようになり、
自分が処女であると打ち明けた際に、相手の男も初めてだと言った。
しかしそれは嘘だった。
幻想を打ち砕かれるというショックな経験を負った彼女は、それでも強く生きていくのだった。
国際映画祭で上映された際、とても評価が高くスタンディングオベーションが鳴りやまなかったという本作。
思春期の女の子の心情と苦悩を、余計な言葉を使わずに描いた映画だと思います。
誰しもが皆、人には打ち明けられない悩みを抱えているのだと改めて考えさせられました。
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