新人VS天才アニメ監督! 今期の覇権をとるのはどっちだ!? 吉岡里帆&中村倫也のW主演『ハケンアニメ!』原作は人気作家の辻村深月(あらすじ&見どころ)

◆日本の映画

日本を代表するサブカルチャー「アニメ
英語圏では「アニメ」という新たな単語が生まれており、これは従来のアニメーションとは別に、日本のアニメーション作品を指す言葉として使われています。それだけアニメが世界に与える影響は大きく、今後も業界の先駆者かつトップとして走り続けていくことでしょう。

今日の映画は、そんな数々のアニメが製作されている現場にフォーカスした作品です。監督の苦悩やスタッフとの衝突、そして熾烈な視聴率争い。視聴者には見えない裏の世界で繰り広げられる、壮絶なバトルが描かれています。

ハケンアニメ!

「4コマあらすじ」

「作品みどころ」

劇中で登場する2本のアニメはどちらもハイクオリティ!
近未来的なバイクアクションが特徴の、王子千晴監督「運命戦線リデルライト」と、少年少女がロボットに乗って戦うSFものの、斎藤瞳監督「サウンドバック 奏の石

普通に地上波で放送されていても全く違和感のない仕上がりで、アニメだけ単体で見たくなるほどでした。製作の過程もしっかりと描かれており、「この絵がこんな風に動くのか」と感心させられます。我々一般視聴者にとっては1話20分程度の短い映像でも、作る側は途方もない時間をかけているのだという裏の努力を感じる映画でした。

アニメに限らず、テレビ番組などの製作現場は基本ピリピリしているものです。知人の伝手で某テレビ局の収録現場にお邪魔した事があるのですが、それはもう緊張感がすごくて。
カメラマンは怒鳴り散らしているし、ディレクターも機材を蹴飛ばす勢いで指示を飛ばしていました。
若いタレントさんへの当たりも強く、収録中に泣き出してしまう人もいたくらいです。

この映画を見る限りではアニメの製作現場も例に漏れないようです。新人監督の瞳に対して、「指示には具体的な数値を示せ」と言うスタッフもいれば、「数値はいらないから、パッションで伝えろ」と無茶を言ってくるスタッフも。中々連携が取れずに、瞳のストレスもどんどん溜まっていくのです

また瞳の方でも、主人公の声優を「顔と知名度だけで選んだ、実力不足のアイドル声優」と辛口評価。
監督として演技指導を行うのですが、声優がセリフを言い終わらないうちに「違います」とバッサリ切り捨て、やり直しを要求。瞳の冷たい物言いに、声優も涙を流してしまうのでした。

斎藤瞳監督と、王子千晴監督の2人は、それぞれがアニメにかけた強い想いがあります。かつて王子監督の作品に感銘を受け、アニメ業界に転職してきた瞳は、憧れの王子監督を超える作品を作ろうと必死に努力します。とにかく良いアニメを作り上げる事。そうすれば皆が見てくれる。それが彼女の目指すものでした。

しかしプロデューサーの行城から、「いくらいいアニメを作っても、作品が人に届かなければ意味が無い」と言われてしまいます。「世の中には売れない良作もあれば、売れている駄作もある。大事なのはプロモーション」という行城に、瞳は反発。アニメのフレーズをカップ麺のキャッチコピーに使われたりと、自分の作品を蔑ろにされていると瞳は怒りを覚えます。その後、次第に彼との信頼関係も築き上げれられてゆき、アニメは中身だけがすべては無いという事を学んでいくのです。

対して王子監督は、一つの悩みを抱えています。それは「最終回で主人公を殺すべきか、否か」という事。大ヒットを飛ばした前作で、周囲の反発もあって結局主人公を殺さないまま終わった王子監督。でも彼が望んだのは、死を以て迎える最終回でした。
最終回のシナリオについて瞳も同じく悩み、ご都合主義のハッピーエンドなんかで後世に残る名作となれるのか?と頭を抱えます。
この2人の監督が出した答えは、劇中で放送される最終話にて明らかにされるのですが、やはりそこが、この映画の一番の注目ポイントだと思います。


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