【映画】この夜は終わらない。彼女が満足するまでは。 『ミートキュート 最高の日を何度でも』

SF

楽しい時間はすぐに過ぎ去ってしまうものです。仕事の時は1時間がとても長く感じてしまうのに、遊びの時は気が付けばもう夜?みたいになりますよね。人間は実際の時の流れよりも、体感時間が全てだと言います。

今日の映画は、惚れた男性とのデートを終わらせたくない、という女性が
タイムマシンを使って同じ夜を繰り返す、ループものの恋愛映画です。

ミートキュート 最高の日を何度でも

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「4コマあらすじ」

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「作品みどころ」

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シーラはタイムマシンを使って、ギャリーと出会った日の夜へ戻る。
毎日同じバーで、同じ時間に、同じ席にいるギャリー。
彼のもとへ近づいてゆき、シーラが声をかける流れも変わらない。変わるとすれば、最初の一言くらいのもの。結局なんと声をかけようが、ギャリーとデートに行くことになるのだ。
シーラにとってはもう何度目かも分からないくらい重ねたデートなので、
ギャリーの話にも飽き飽きしてくる。ギャリーが「僕はレオナルド・ディカプリオに似てるって言われる」という話や、マニアックな映画ネタを披露するが、それもシーラは丸暗記している。
そして最後には自分がタイムトラベラーだと明かすと、やばいやつだと思われてギャリーに逃げられる。その繰り返しなのだ。

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タイムトラベルものの作品で注意すべきは、タイムパラドックス、つまり
時間的な矛盾が起こっていないか、という事。
シーラは毎回24時間前に戻ってくるので、ギャリーと出会う日にはもう一人の自分が存在しているわけだ。同じ時間にシーラが2人。この矛盾をどうするか?
答えは、「過去の自分を轢き殺す
超絶パワープレイで毎日自分を轢き殺すシーラ。死体をトランクに詰めて証拠隠滅を図り、何食わぬ顔で毎晩ギャリーとデートする。
「バックトゥザフューチャー」でドクが過去の自分と遭遇しそうになるシーンなど、時間の移動を扱う作品では必ずと言っていいほど直面する
別の自分と出会うのどうするか問題
そんなシンプルな解決法があったのか!と思わず舌を巻いた。

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過去に戻ってギャリーの人格改変まで行ったシーラ。もともとの優しい性格から一転、オラオラ系彼氏になってしまったギャリー。初めは「新ギャリー」のほうがワイルドで素敵、と喜んでいたが、結局もとに戻す事になってしまう。
なぜそこまでしてギャリーに固執するのか?
それは、シーラにとって彼がある意味でのヒーローだからだ。
人生に絶望し、自殺しようとしていた夜に初めて出会ったのがギャリー。
その彼に心を奪われたシーラは、何度も何度も同じ夜を繰り返すようになる。
しかしギャリーも徐々にその違和感を察知し始める。そして2人の関係を終わらせるために、今度は自分がタイムマシンを使って昔のシーラに会い、
自分との出会いそのものを無かったことにしようと目論む。
それを必死に止めるシーラ。果たして2人の夜に終わりはくるのか?


「コメント」
結構使い古された感のある「タイムトラベル×ラブストーリー」の設定ですが、他にはない要素があって楽しめる映画です。
特に記事の中でも述べている、タイムパラドックスの阻止の方法。
同じ時間に自分が2人存在してはいけないのなら、片方を殺してしまえ、という中々にいかれた考えです。毎日自分を轢き殺すってどんな気分でしょうね。

しかしそういうシーラのぶっとんだ性格がなぜ形成されたのか、という点も
映画の終盤、ギャリーがシーラの幼少期に戻るシーンで明らかにされます。
「丸い穴に四角い棒は入らない」という意味のどこかの諺が序盤で出てくるのですが、それが後々の伏線となっています。
型に嵌められないものを無理やり嵌めようとする。シーラがやっているのはまさにそう言う事なのです。

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