【映画】虚像はいつしか理想の自分に。儚い少女の殺意が目覚める 『ガール・イン・ザ・ミラー』

◆外国映画紹介

鏡に映る自分と目が合った時、誰しも一度はこう考えた事があるのではないでしょうか。
果たして鏡の中の自分は、本当の自分なのか?」と。
全てが反転しているもう一つの世界が、その先にあるのではないか。
では仮に、そんな世界があると仮定しましょう。
もし反転しているのが姿形だけでなく、自分の内面も真逆になっていたら?
現実世界ではなれない理想の自分が鏡の中にいるとしたら?

今日の映画は、内向的な少女が鏡に映る自分に侵食されていく
サイコホラー映画の紹介です。

ガール・イン・ザ・ミラー

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「4コマあらすじ」

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「作品みどころ」

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マリアの精神に異常を来した原因は複数あるが、整形外科医の父親による抑圧が最も大きいだろう。自分の娘に対して完璧な美を求める彼は、誕生日プレゼントだと言ってマリアの顔を整形しようとする。
マリアがストレスによる寝不足で少し顔が浮腫んでいるだけでも、
「人前に出るのにそんな顔じゃいけない。今すぐ化粧をし直して来い」と怒る始末。
アイラムが父親に対して殺意を抱くのも無理はない話だ。

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マリアは鏡の中に映る「アイラム」に理想の自分を見出す。
顔は同じはずなのに、自信に満ちているアイラムと落ち込みがちなマリアでは全く別人のように見えてしまう。
アイラムは問う。「私を見てどう思う?」
それにマリアはこう答える。「あなたは綺麗」
するとアイラムが言う。「違う。”私たち”は綺麗よ
この会話にマリアの内に秘めたる自己顕示欲が表れている。

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アイラムはその美貌を武器に、これまで自分をいじめていた男を公衆の面前で誘惑。その気になった男をシャワールームに誘い出して撲殺するなど
内向的なマリアの性格とは正反対に、自分の魅力を最大限に活かした官能的な殺人鬼となる。
果たして彼女を止める事はできるのか?


「コメント」

人間なら誰しもが秘めている二面性という概念を、鏡に映る自分に投影する
表現がとても面白い映画です。
作品を通して印象的だったのは、画面の色味が極端に少ない事。
白と黒の2色を基調とした構成で、マリアが異性と恋に落ちたスケートリンクは白、アイラムと出会うバスルームは黒、といいったように、登場人物の心の動きを反映しているように思えました。

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