■主役3人の登場
ドラマの冒頭は、物語の主役となる3人がそれぞれNYを歩きながら、
NYとはいかなる街かを各自の視点で語るシーンから始まる。
1人目はチャールズ。彼の職業は俳優で、昔は人気ミステリードラマの主演を務めていたが、今や仕事は激減している。
2人目はオリバー。NYを何が起こるか分からない場所だと語る。
彼は舞台監督だが、ろくに仕事もこないため生活に困窮している。
そして3人目のメイベル。NYを面倒が多い場所だと語る彼女。
眠れない夜は男をめった刺しにする想像をしていると、気分良く眠れるという。
そんな3人は「アルコニア」というアパートに住む住人である。
■EVでの遭遇
アパート内のEVに乗っているチャールズ。そこへ滑り込んでくるオリバーとメイベル。互いに知らない者同士だが、オリバーはやたらとメイベルに話しかける。
そこへ電話をしながら乗り込んできたスーツ姿の男。彼の手には大きなゴミ袋が握られていた。
自分の部屋があるフロアで降りていく面々。
彼らは部屋に帰ると、急いでとあるポッドキャストを聞き始める。
その内容はマーダーミステリー。この時点で第6話と言われていたので、
シリーズものであると伺える。
3人ともかなり熱心に聞き入っており、チャールズに至っては本当の犯罪を追う刑事かのように、地図を広げて犯人の足取りや事件の証拠を書き留めている。
そこへ突然、アパート全体に緊急アラームが鳴り響いた。
■初めての接触
緊急アラームの発令により、強制的にアルコニアの住民は外へ避難させられた。行き場を無くした住民たちは、揃って近くのレストランへ。
チャールズが1人で席に座り、ポッドキャストの続きを聞いているところへ、オリバーが馴れ馴れしく登場。最初は邪険にしていたが、オリバーも同じ番組の愛好者だと知り、2人は意気投合。おじさん同士が身を寄せ合って
ポッドキャストに聞き入る。
遅れてやってきたメイベル。もう満席です、と言われて途方に暮れている彼女に、オリバーが手招き。さらにメイベルもポッドキャストを聞いていると知り、3人は腰を据えて話を始めた。
チャールズとオリバーは自分たちの身の上を話して聞かせたが、秘密主義らしいメイベルは自身について明らかにしようとしなかった。それでも同じアパートに暮らす住民として親睦を深めた3人は、そろそろ部屋へ帰ろうと席を立つ。
■犯罪現場へ潜入
アルコニアの前には警察の姿が。何があったのか問うと、アパートの9階で
住民が自殺したという。
現在現場を確認中なので、しばらく部屋には戻れないと言われてしまう。
マーダーミステリーのポッドキャストにはまっている3人にとって、
日常に事件が舞い込んできたのは願っても無いハプニング。
貨物用のEVを使って現場にこっそり潜入する。
そこで自殺したのは、先ほどEV内で電話をしていたスーツ姿の男だと判明。
こそこそと嗅ぎまわる3人のもとへ、恰幅の良い黒人女性警官が現れて
すぐにここから立ち去るよう警告。
ミステリーオタクどもめ、と3人は一笑に付されてしまう。
だが3人は、この事件は自殺ではなく他殺なのでは、と疑いを持っていた。
■きっかけはゴミ袋
諦めきれない3人。
翌日、チャールズとメイベルはとある事に思い当たる。
それは、自殺した男が持っていたゴミ袋。各階に捨てる場所が設えられているのに、なぜわざわざ男はゴミ袋を持ち歩いていたのか?
男が捨てたゴミの中に事件の真相に繋がる証拠があると睨み、ゴミ捨て場へ直行。ゴミ袋を漁っていると、男の手書きと思しきメモが発見される。
そこには「孤独が辛い」などの悲観的な言葉が書かれていた。
死ぬ間際に残したメモを見て、やっぱり自殺だったのか?とがっかりの3人。もうこれ以上見えない犯人を追い求める事はできなくなってしまう。
一旦はミステリー愛好会が打ち切られたが、事件は後程動き出す。
■手がかりは郵便物
孫たちへの土産を持って息子の家を訪れたオリバー。
舞台監督としての仕事がなく生活に困窮している彼は、息子に度々金を無心していた。
しかし「これ以上は無理だ」と断られてしまう。
一方、殺人の証拠を見つけるために、亡くなった男の隣室に侵入するチャールズとメイベル。
そこで見つけたのは、彼が注文していた郵便物だった。
箱を開けると、中身は婚約指輪。死ぬつもりの男がなぜ指輪を注文する?と訝しむ2人。
オリバーに連絡を取り、アパートに3人は再集合する。そこで事件の捜査方針を固めていく会議が開かれる。
別の殺人事件が近所で起きた事を知り、2つ同時に調べていこうと提案するオリバーに、チャールズはきっぱりと言った。
「ここでの殺人事件だけに限定しよう」と。
このセリフこそが、英語版のドラマタイトル「Only murders in building」となっている。
そして彼らは殺人捜査のポッドキャストを開始する。
コメント