人気女優の吉岡里帆と松本まりか、モデルのモトーラ世理奈、そして水曜日のカンパネラの詩羽の4人が共演した、今年の夏を涼しく彩る異色の恋愛映画『アイスクリームフィーバー』 この4人のうち、松本まりかとモトーラ世理奈が一緒に出演した『雨に叫べば』は、泥沼な映画製作の舞台裏を描いた作品なのですが、映像の撮影現場を体験した人なら「あるある」となること間違いなし!
それぞれ2人はどんな役?
まずは『雨に叫べば』において、松本まりかとモトーラ世理奈がどんな役を演じているのかを紹介します。
新人映画監督の花子:松本まりか
松本まりかが演じるのは、記念すべきデビュー作を撮影中の映画監督・花子。ベテランスタッフに囲まれ、あれやこれやと文句を言われながらも自分の信念を突き通す、職人気質のクリエイターです。そのせいで周りとの折り合いがうまく行かないこともしばしば。物語は、花子が車に閉じこもったせいで皆が迷惑している場面から始まります。
撮影部スタッフのよしえ:モトーラ世理奈
映画の製作現場では、撮影、照明、音声、美術などそれぞれの専門スタッフがチームとなって仕事をしています。その中でも映画の出来を左右する撮影部。そこに所属する女性スタッフ・よしえをモトーラ世理奈が演じています。
2人の関係は?
まずこの映画では、監督とスタッフの仲は決してよくありません。というかかなり険悪。実際にテレビや映画の撮影現場にお邪魔したことがあるのですが、本当にギスギスしている場面が多かったです。立場上は監督でも、花子はあくまで新人。対して周囲のスタッフは皆この道何十年のベテランなので、花子に対して威張り腐った態度を取ります。
よしえも例に漏れず、自分勝手な都合で撮影スケジュールを乱した花子に冷たく当たり、2人の間には居心地の悪い空気が漂っていました。しかし花子が持つ作品への拘りや、真っすぐな心に打たれて、徐々によしえとの関係も変わっていくのでした。
「アイスクリームフィーバー」でも共演している2人は、プライベートでも親交があるようです。実は年齢に10歳以上も差がある2人。まるで年の離れた姉妹みたいですね。
『雨に叫べば』のみどころは?
映画のタイトルが、ハリウッドの名作ミュージカル「雨に唄えば」をもじっていることは明らかですが、内容には特に共通するところはありません。しかし「雨」という要素は、映画における重要なポイントとなっているんです。「雨に唄えば」の有名なシーンで降る雨も、自然のものではなく映画の特殊効果。その特殊効果としての「雨」が、この作品の要になってきます。
「雨に唄えば」で、ジーン・ケリーが雨の中で傘もささずに歌うシーンは、ハリウッド映画屈指の名場面です。
①監督のこだわりは過去の経験から
「スケジュールも予算も足りない」「こんなシーンどうでもいい」そんな周囲の声を受けても、なお花子が強い拘りを見せたのは、雨と濡れ場の撮影でした。これは花子自身の幼少期の経験に基づくもので、なぜ彼女がそこまで執着するのか? そして撮影は成功するのか? というのが注目ポイントの1つ。
②昭和の撮影風景
舞台となるのは1988年(昭和63年)の撮影スタジオ。濃い目のメイクに真っ赤なリボン、デニムのジャケットという昭和感溢れる花子のファッションが可愛いんです。そして時代を感じるのは服装だけではありません。女性の社会進出がいまほど叫ばれていなかった時代なので、「女に仕事なんて出来ない」「これだから女はよ」みたいな、女性蔑視の発言がポンポン飛び出します。スタッフのほとんどがあちこちで煙草を吸っているのも、昭和って感じ。
松本まりかさんはレトロファッションが似合いますね。
③監督だけじゃない。俳優たちの成長も
物語の主役は監督である花子ですが、劇中の映画に出演する売れっ子アイドルの新二(須賀健太)にも注目です。アイドルとして名を売るために映画に出演していた新二は、まともに台本も覚えないで、監督の指示にも従わないような男でした。しかし周りのスタッフや、共演者の熱意に影響を受け、だんだんと役者としての魂が開花していく、その過程もポイントです!
花子が最も拘りを見せた濡れ場のシーン。落ち目の女優とのセックスにはじめは躊躇いを見せる新二でしたが、「最高に美しい濡れ場を撮りたい」という花子の意思に応えるように、新二の演技にも熱が入っていくのでした。
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